ロシア反汚職団体の職員、「拉致され」北極の基地送りに 野党指導者
モスクワ(CNN) ロシアの野党指導者アレクセイ・ナバリヌイ氏は27日までに、自身が率いる反汚職団体の男性職員がモスクワの自宅アパートから「拉致され」、北極圏の軍事基地に移送されたと明らかにした。一方、当局は適法に男性を徴兵したとしている。
ナバリヌイ氏によると、この男性は「反汚職基金(FBK)」の職員ルスラン・シャベデディノフ氏で、拘束から1日以内に北極海のノバヤゼムリャ島に移送された。
ロシア軍はシャベデディノフ氏が徴兵逃れをしたと批判している。ロシアは徴兵制を維持しており、若者に1年間の兵役を義務づけているが、例外も多い。
ナバリヌイ氏は24日、ブログに「シャベデディノフ氏がこれほど当局を怒らせた理由は分からないが、プーチン(大統領)は彼を隔離する計画を自ら立案したようだ」と書き込んだ。
当局はまずシャベデディノフ氏のSIMカードを停止。その直後、連邦保安局(FSB)が同氏の自宅アパートに強制的に立ち入ったという。
ナバリヌイ氏は25日にもブログを投稿し、シャベデディノフ氏を「政治囚」と形容した。同氏は電話の使用を禁じられているが、モスクワの同僚に連絡を取ることに成功し、徴兵免除の資格を示す診察記録を送るよう頼んだという。
一方、兵役当局のトップは国営タス通信に対し、シャベデディノフ氏について「長年にわたり徴兵逃れをしてきた。徴集は適法だ」としている。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は25日の記者会見で、同氏に関する報道は把握しているとしたものの、詳しい言及は控えた。