ロシア・スパイ船、米東部の沖合で活動 「安全軽視」の航法
ワシントン(CNN) ロシアの情報収集艦船が米国南東部沖合の公海上で他の船舶の安全に支障を与えかねない航法で活動していることが19日までにわかった。米政府当局者2人がCNNに明らかにした。
このロシア艦船はビシュニヤ級の「ビクトール・レオノフ」でサウスカロライナ、フロリダ両州沖合で過去数日間、活動した。米国防総省当局者は、米海軍の駆逐艦1隻が近くの海域で監視任務などに当たっていることを明らかにした。
米政府当局者によると、ビクトール・レオノフは視界不良の天候の中で航行灯をつけなかったり、不測の事態を回避するための商船の交信の求めにも応じていない。他の不規則な動きも示しているという。
米沿岸警備隊はCNNの取材にビクトール・レオノフによる安全軽視の航行を確認。近くを進む他の船舶に対し最大限の警戒を行い、危険な状況が発生した場合、沿岸警備隊に通報するよう促した。
ビクトール・レオノフは2015年以降の毎年、米国の東部沖合の公海で哨戒活動を実施している。キューバやトリニダード・トバゴを含むカリブ海周辺にも定期的に出現している。
今回の米国南東部沖合への出没は、米海軍の誘導ミサイル駆逐艦が今月16日、黒海に面するルーマニア・コンスタンツァに寄港した後の動きともなっている。米海軍は寄港について黒海における米海軍の存在感を示威し、同じ北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるルーマニアのような地域のパートナー諸国への支援を打ち出すものと説明した。
ロシアは2014年のウクライナ・クリミア半島の強制編入後、黒海周辺で軍事力増強の構えを見せている。黒海に進入した米戦闘艦船の追跡も通常実施している。