ロシア、極超音速ミサイルの実戦配備を発表
モスクワ(CNN) ロシアのショイグ国防相は29日までに、核弾頭が搭載可能な最新兵器の極超音速ミサイルシステム「アバンガルド」の実戦配備が開始され、プーチン大統領に報告したことを明らかにした。国営メディアが伝えた。
極超音速(ハイパーソニック)兵器は通常、マッハ5の速度を持つと規定される。発射後に宇宙空間に到達し、その後、降下して航空機と似た飛行経路を高速で進む。より低い弾道では米国のミサイル防衛システムを突破し、レーダー探知も困難とされる。
ロシアの国営タス通信は以前、アバンガルドは大陸間弾道ミサイルの射程を持ち、最高速度はマッハ20とも報じていた。
ロシアは2018年にアバンガルドの試験を発表。プーチン氏は当時、米ミサイル防衛システムを回避出来る能力を保持し、「迎撃不可能」とも誇示。また、ハイパーソニック能力を持つ海中無人艇も開発中と公言していた。
ただ、米国の軍事専門家はロシアの極超音速ミサイルシステムの軍事能力を疑問視してもいる。ロシア北部の軍実験場では今年、新型ミサイルの試験に失敗したとも伝えられる。
プーチン大統領は今月24日には、自国の極超音速兵器の優位性に言及し、「他国は追いつこうと試みている」とも自賛。ロシア国防省の幹部会合で、大陸間弾道ミサイルも含め極超音速兵器を保持している国はないと主張していた。