軍兵士が銃乱射 死者20人、商業施設に立てこもりか タイ
バンコク(CNN) タイ東北部のナコンラチャシマ県で8日夜、兵士が軍施設で発砲し、さらに大型ショッピングモールへ移動して銃を乱射した。当局によると、少なくとも20人の死者が出ている。
タイ国防省の当局者によると、容疑者は陸軍の弾薬大隊に所属。配属先の軍施設で口論になった上官を射殺し、上官の銃を奪って同僚らに向かって発砲した。
容疑者はさらに、機関銃を含む複数の銃と軍用車両を盗んでモールへ移動。その過程で民間人を銃撃したという。
現場には軍と警察が出動している。警察責任者によると、事件発生から約8時間たった現地時間の9日午前5時時点で、容疑者は依然モール内にいるとみられ、捜索が続いている。買い物客らが人質になっているかどうかは不明とされる。
現場からのニュース映像には、治安部隊がモールを包囲し、人々がトラックや車に乗せられて避難する様子が映っている。ソーシャルメディアにも重武装した軍部隊が数人を連れてモールから出てくる場面のビデオが投稿された。銃声の響くなかで容疑者とみられる人物が警察と言い争うビデオも流れたが、CNNは本物かどうかを確認していない。
救急車を盾にする治安部隊隊員/Athit Perawongmetha/Reuters
救助された男性の1人は、レストランの厨房(ちゅうぼう)に逃げ込んで5時間も身を隠していたと話した。モール内は当時、数千人の買い物客でにぎわっていたという。
警察はツイッターを通し、中にいる人々に携帯電話の音を消したうえで居場所を連絡するよう指示した。
フェイスブックは容疑者のアカウントを削除したと発表した。
通信当局は国内の各放送局に対し、治安作戦の妨げとなる恐れがあるため、モール付近からの実況中継を控えるよう呼び掛けている。