「心底怖い」 乗員に迫る新型ウイルス感染リスク、クルーズ船乗員が証言
横浜(CNN) 新型コロナウイルスの感染者が相次いで確認されている大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗員は感染の不安にさらされながら、接客などの業務継続を強いられている。乗員の1人がCNNの取材に応じ、乗員が置かれている状況や今の心境を語った。
横浜港に停泊中の船内では、乗客と乗員3700人あまりが隔離状態にある。感染者は日を追うごとに増え続け、12日には新たに40人の感染が確認されて、ダイヤモンド・プリンセスの感染者は計175人になった。
メディアの注目は多額を払って乗船した乗客に集まる。だが検疫が続く間、1000人を超す乗員は仕事を続けることを強いられ、感染の可能性もある乗客へのサービスや、船のメンテナンスなどの業務に当たっている。仕事中は制服を着用し、マスクと手袋を着ける。
厚生労働省の橋本岳副大臣はCNNの取材に対し、全員を平等に扱おうとしているとしながらも、乗員には個室がなく、今も仕事を続けなければならない状況にあることは、平等とは言えないと語った。
同船に乗務するインド・ムンバイ出身のソナリ・タッカーさん(24)は、同船を運航するプリンセス・クルーズに2年前に就職した。2日前からタッカーさんと、同じ船室を使っている同僚に頭痛やせき、発熱などの症状が出て、仕事を休むよう上司から指示され、自分の船室で隔離状態で過ごしているという。
タッカーさんはスカイプを通じてCNNの取材に答え、「食欲があまりなくて発熱が続いている」「みんな心底怖がって、張りつめている」と打ち明けた。