有毒ガス流出か 14人死亡、500人に健康被害 パキスタン
イスラマバード(CNN) パキスタンの港湾都市カラチで原因不明の有毒ガスが原因とみられる死者が相次ぎ、16日以来、14人が死亡、500人あまりに健康被害が出ている。
有毒ガスの流出は今も続いているかもしれないとの不安が高まる中、当局は原因の究明に全力を挙げている。
カラチのあるシンド州の衛生局によると、被害者の一部は集中治療を受けている。死者については検視を行っており、3日以内に検視結果が出る見通し。
カラチの近郊に住む住民はCNNの取材に対し、住民がパニックに陥っていると証言、「16日午後10時ごろ、ガス漏れのために死者が出ているという電話があった。大勢の人が顔を覆ってやって来て、救急車が港へ急行していた。車の窓を閉めていても、目がヒリヒリして焼けるようだった。明らかに何かがおかしい。私たちは自宅から避難した」と話している。
カラチ市内では、マスク姿の人たちが集まって当局の対応に対する小規模な抗議デモを展開していた。
デモを行うカラチの住人ら=18日/Fareed Khan/AP
当局は、ガス漏れの痕跡は発見できていないとしている。カラチの港湾当局者は、「ターミナルや停泊所は全てチェックした。プライベートターミナルや石油埠頭(ふとう)、石油施設もチェックしたが、ガスや化学物質の流出は見つからなかった。もし港でガス漏れが起きたのであれば、付近で働く人たちが最初に影響を受けていたはずだ」と話している。
パキスタン海軍は港湾地域で検体を採取して、結果が出るのを待っている。