ミラノの観光地も閉鎖、感染急増にパンデミックの懸念 イタリア
欧州の当局者は今も平静を呼びかけており、イタリア当局も感染拡大は封じ込められているとの認識だが、域内での自由な移動が認められた欧州連合(EU)加盟国でこれほどの流行が起きたことで、一層の感染拡大に対する不安が強まっている。
ロンバルディア州の州都ミラノは24日午前、普段に比べて静まり返った様子だった。有名なゴシック建築の大聖堂は観光客の立ち入りが禁止され、スーパーマーケットの前にはマスク姿の人たちが行列をつくった。
ミラノに住む女性はCNNの取材に対し、近所のスーパーでは一部の棚が空っぽの状態だったが、当面持ちこたえられるだけの物資は確保できたと証言。「こんなことは初めて。ただ、棚が空っぽだったのはパスタやビスケットや缶詰だけで、新鮮な果物や野菜は問題なかった」と話す。
「どれくらい深刻な状況なのか、本当のところは分からない」とこの女性は打ち明け、「マスクはどこの薬局でも売り切れで、アマゾンでは入手できるまで数週間かかる。手指の消毒液も同じ状況」と言い添えた。
ロンバルディア州知事は住民に平静を呼びかけ、パニック買いはやめるよう促した。
一方、ベネト州の州都ベネチアは、毎年大勢の観光客が押し寄せる年に1度のカーニバルの真っただ中だった。カーニバルは中止になったが、もともとは25日まで開催される予定で、訪れる観光客も増加していた。
サンマルコ広場のバーで働く男性は、中国人の観光客グループを指さして「何でここにいるんだ? なぜ阻止しないんだ」と苛立ちをあらわにし、「港湾を閉鎖して、中国と韓国と日本からの便を全部阻止すれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに」と主張した。