世界の都市の大気汚染、ロックダウンで異例の改善
(CNN) 世界の都市で新型コロナウイルス感染拡大を抑えるためのロックダウン(都市封鎖)措置により、大気汚染がかつてないほど軽減したとする新たな報告書が発表された。
大気汚染の実態を監視するスイス企業、IQエアの研究チームが世界10都市について、有害な微小粒子状物質PM2.5の濃度などを調べたところ、かねてから汚染が激しかった計7都市で状況が大きく改善していたことが分かったという。
チームはそれぞれの都市が最も厳しい封鎖措置を取った時期、また中国・武漢のように長期にわたったケースでは1日ごとの新たな感染者がピークに達していた時期に合わせて、3週間の枠を設定。この期間のデータを昨年の同じ期間と比較した。
汚染が世界で最も深刻な都市として名指しされることの多いインドのニューデリーでは、3月23日~4月13日のPM2.5濃度が昨年より60%も低下。期間中、汚染指数が「不健康」なレベルにあった時間数の合計は、全体の68%から17%に激減した。同市とムンバイはともに、3月の汚染レベルが史上最低を記録した。
韓国のソウルも、2月26~3月18日のPM2.5濃度が昨年に比べて54%減となった。
武漢は2月26日~3月18日に、昨年より44%下がった。2月と3月の各平均濃度は、昨年が1立方メートルあたり63.2マイクログラムと43.9マイクログラムだったのに対し、今年は36.8マイクログラムと32.9マイクログラムに下がっていた。
米ロサンゼルスは3月7~28日の期間に昨年と比べて31%、過去4年の平均に比べると51%も低下し、良好な状態が連続18日間続いた。
欧州でもロンドン、マドリード、ローマでロックダウン期間中、昨年より低い濃度を記録した。