中国の核弾頭数、今後10年で2倍以上に 米国防総省報告書
ワシントン(CNN) 米国防総省は1日、中国の軍事力に関する報告書を発表した。中国は今後10年で核弾頭の数を倍以上に増やそうとしていると予想、中国の軍事力は既に、重要分野で米国と同等または米国をしのぐようになったと分析している。
米中間では、南シナ海での中国軍の活動や、米国の台湾支持といった幅広い問題をめぐって対立が深まっている。今回の報告書は、11月の米大統領選挙を前にトランプ大統領が中国に対する強硬姿勢を強める中で発表された。
報告書では、中国が現在保有する核弾頭数を200発台前半と推計し、中国が核戦力の拡大と現代化を進める中、今後10年で核弾頭数は2倍以上に増えると予想した。
米国を脅かすことのできる地上配備型大陸間弾道ミサイルの弾頭数は、今後5年で約200発に増えると予想している。
さらに、造船、地上配備式の通常型弾道ミサイルや巡航ミサイル、統合防空システムといった複数の分野では、中国の軍事力は既に米国と同等か、米国をしのいでいると指摘。中国は「世界最大の海軍」を持つようになり、水上戦闘艦130隻以上を含む艦船や潜水艦350隻あまりを保有しているとした。
これに対して米海軍の戦力は、2020年初めの時点で約293隻にとどまる。
中国が保有する射程500~5500キロの地上発車式弾道ミサイルと地上発射式巡航ミサイルは1250基を超え、2019年に中国が実験と訓練のために発射した弾道ミサイルの数は、他国全ての合計を上回った。
中国の軍事費については、経済成長をしのぐペースで増大を続けていると報告書は指摘する。