死刑囚が国会議員に就任、拘置所から登院 スリランカ
スリランカ・コロンボ(CNN) スリランカで殺人の罪に問われて死刑判決を受けた人物が国会議員に選出され、8日に宣誓就任した。
国会議員に就任したのはプレムラル・ジャヤセカラ死刑囚。宣誓就任の際は、最大野党が抗議の退席を行った。
ジャヤセカラ死刑囚は2015年1月の大統領選挙を前に活動家を殺害した罪で有罪を宣告され、死刑判決を言い渡されたが、スリランカは1976年以来、死刑が執行されていなかった。ただ、前政権は昨年、死刑執行を再開する計画を発表している。
ジャヤセカラ死刑囚は判決が言い渡される前に、「スリランカ人民戦線(SLPF)」によって国会議員候補に指名されていた。昨年の選挙でSLPFが地滑り的勝利を収めたことにより、ジャヤセカラ議員は145人の同党議員の1人として選出された。
しかし登院するためには、首都コロンボの拘置所から許可を得る必要があった。この問題は裁判で争われることになり、高裁がこのほど、議会登院を認める判決を言い渡した。
8日、武装した看守に付き添われて議会に登院したジャヤセカラ死刑囚は、選挙で選ばれた議員として正式に宣誓就任した。
野党議員は「恥知らず」と叫び声を上げ、被害者をしのんで黒いショールを身に着けていた。
黒いショールを身に着けて議会で抗議する野党議員ら/ISHARA S. KODIKARA/AFP/AFP via Getty Images
ジャヤセカラ死刑囚は今後、議会が開かれるたびに、看守に付き添われて登院することになる。