麻薬の運び屋、警察車両に衝突の「失態」 禁錮刑 豪州
(CNN) オーストラリアのニューサウスウェールズ州の裁判所は11日、麻薬を隠した車を運転中、警察署の外に止めてあった警察車両2台に衝突する騒ぎを昨年7月に起こした運び屋の男に禁錮6年6カ月の判決を言い渡した。
警察の刑事は衝突直後の記者会見で、(当時)26歳の容疑者にはさんざんな1日だったろうと指摘。麻薬を積んだ車が警察車両にぶつかった事例は聞いたことがないとし、「最も楽な麻薬取り締まりの1つだった」とも振り返っていた。
事故は昨年7月、同州シドニーで発生。警官が外での大きな音を聞きつけて確認したところ警察車両2台が大破しているのを発見。衝突した車の方は付近に見当たらなかったという。
ただ、監視カメラの調査や目撃者の証言で、衝突した車を割り出して追跡し、停車させていた。被告は運転席にいたが、聴取した際、不審な身ぶりを見せたため車内を捜索。段ボール箱に入った禁止薬物の麻薬メタンフェタミンの273キロを発見していた。
シドニー警察の「最も楽な取り締まり」で押収された麻薬/NSW Police
末端価格は2億豪州ドル(約154億円)以上だった。
豪州では昨年から今年にかけ大規模な麻薬摘発が相次いだ。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中でも麻薬密輸が衰えている気配もなく、今年5月にはマスクや手の消毒剤が入った箱の中にメタンフェタミン2キロがあるのを突き止めてもいた。