新型コロナ死者、世界で100万人突破
(CNN) 米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、新型コロナウイルス感染症による死者は29日までに世界で計100万人を超えた。
死者数は29日の時点で100万555人。中国当局が湖北省武漢で最初の死者を確認してから9カ月足らずでこの人数に達した。感染が確認された人は世界で3300万人を超えている。
感染者、死者とも米国が最も多い。これまでに700万人以上の感染が確認され、死者は20万5000人を超えた。
インドの感染者は世界で2番目に多く、600万人以上。特に6月以降に急増している。死者は9万5000人を突破した。
中南米でも感染が急激に拡大している。ブラジルの死者は14万1000人と、米国に次いで2番目に多い。メキシコでは7万6000人が死亡した。
世界の地域別の死者数。データはジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センターから/Byron Manley and Henrik Pettersson, CNN
欧州も感染の第2波に見舞われているが、春のピーク時と比べて低い致死率にとどまっている。マスク着用や対人距離確保などのルールが定着し、致死率の低い若者を中心に感染が広がっているためとみられる。
病院での診断、治療体制が向上した結果、欧州の一部の国では集中治療室(ICU)に収容された患者の死亡率が春の50%前後から20%前後まで下がったとの報告もある。
ただしブルガリア、クロアチア、スペインなど致死率が下がっていない国もある。冬のインフルエンザ流行期を控え、感染が中高年層に広がっていること、市民が行動制限に疲れてきたことなど、懸念材料が指摘されている。
死者が50万人に達したのは6月29日で、そこから3カ月でさらに50万人増えた。WHOの緊急事態プログラム責任者、マイク・ライアン医師は死者数が200万人に達するという見通しは想像を絶するが、ありえないことではないと指摘。「9カ月で100万人を失い、また次の9カ月でワクチンが出始めるという現実を見つめつつ、関係者全員にとって大きな課題が待ち受ける」と語る。