イエメンで拘束の米国人2人解放、フーシ派271人の解放と引き換え
(CNN) 中東イエメンでイスラム教シーア派武装組織「フーシ」に拘束されていた米国人2人が解放されたことが分かった。トランプ政権高官と情報筋が14日、明らかにした。これと引き換えに、オマーンで拘束されていたフーシの関係者200人以上も解放され帰国したという。
オブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の声明によると、解放された米国人は人道支援活動家のサンドラ・ロリさんと実業家のミカエル・ギダダさん。2人の解放を最初に報じた米紙ウォールストリート・ジャーナルによれば、ロリさんは3年間、ギダダさんは1年間にわたって拘束されていた。
2人のほか、亡くなった米国人ビラル・ファティーンさんの遺体も帰国する見通しだという。
これと引き換えに、オマーンの首都マスカットで拘束されていたフーシの関係者271人が解放され、イエメンの首都サヌアに戻った。解放交渉にかかわった高官が14日、CNNに明らかにした。
フーシの報道官はツイッターで、イエメン出身者がオマーンから空路でサヌアに到着したと述べ、オマーンのハイサム国王の取り組みに感謝の意を示した。
オブライエン氏も声明で、ハイサム国王とサウジアラビアのサルマン国王が米国人解放の実現に尽力したことに謝意を表明。「トランプ大統領は引き続き、国外で拘束されている米国人の解放と帰国に優先的に取り組んでいる」などと述べた。
2015年に始まったイエメン内戦では、サウジやアラブ首長国連邦(UAE)の支援を受ける連合軍と、イランを後ろ盾とするフーシが衝突。これまでに数千人が命を落とし、国内は人道危機に陥っている。