空港で女性乗客らに診察強要、カタール政府が遺憾表明
(CNN) カタールの首都ドーハの空港で生まれたばかりの女児が置き去りにされ、母親を捜すためとして乗り継ぎの女性客らが診察を強要された問題で、同国政府が遺憾の意を表明した。
政府は声明で、「旅行者に苦痛を与えたり個人の自由を侵害したりしたこと」を遺憾に思うとした。
空港では今月2日、計10便に搭乗していた女性客らが滑走路上の救急車の中で診察を受けたとされる。合計人数は不明。オーストラリア外務省の報道官によると、このうちシドニー行きのカタール航空機では、オーストラリア人13人を含む18人の女性が対象となった。
ペイン豪外相は28日、上院での公聴会で、診察の強要は極めて不適切だったと非難した。他国の女性も同様の扱いを受けたと述べたが、具体的な国名は挙げなかった。豪政府はカタールに対し、詳細な報告を求めているという。
モリソン豪首相も28日の声明で、「オーストラリア国民であるかどうかにかかわらず、女性がこのような扱いを受けることを考えると、娘を持つ父親として身震いするばかりだ」と述べた。
カタール政府の声明によれば、女児はポリ袋に包まれ、空港内のごみ箱に放置されていた。無事に保護され、現在ドーハ市内で治療を受けている。「恐ろしい罪」を犯した人物らが逃亡しないよう、母親を捜す「緊急の判断」が下されたという。