核戦争時のロシア空中作戦指揮機で機器盗難、最高機密の対象

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モスクワ、赤の広場の聖ワシリイ大聖堂上空を飛行するイリューシン80とミグ戦闘機/ANDREY SMIRNOV/AFP via Getty Images

モスクワ、赤の広場の聖ワシリイ大聖堂上空を飛行するイリューシン80とミグ戦闘機/ANDREY SMIRNOV/AFP via Getty Images

(CNN) ロシア大統領府は10日までに、核攻撃などの非常事態時に大統領らの空中作戦指揮所ともなる最高機密対象のイリューシン80型機の機内から無線機器39点が盗まれ、捜査していることを明らかにした。

同機は「終末の日の航空機」とも呼ばれる。容疑者は特定されていない。

ペスコフ大統領府報道官は今回の事件を「緊急事態」と形容。この種の事件の再発防止策を講じるとした。同機の警備を担う部門の詳細には触れなかった。

機器盗難は同機がベリエフ・タガロング航空科学技術施設で保守点検を受けていた際に判明。貨物室に通じる出入り口が開かれていたという。タス通信によると、事件が発覚する前は車輪部分の通常の点検が実施され、全ての機器がそろっていたという。

イリューシン80型機は旅客機のイリューシン86型機の改造モデル。タス通信によると、ロシア軍は現在、4機のイリューシン80型機を保持している。

RIAノーボスチ通信によると、全ての民間用飛行場や軍用飛行場からの離陸が可能で、強力なエンジン、最新式の通信設備や数日間空中にとどまり続けることが出来る生命維持システムなどを搭載。

操縦室を除き機内に窓は一切無く、核爆発が起きても搭乗者の視覚障害を防止する仕組みとなっている。機内の構造や設備の詳細は不明だが、軍統率に必要な全ての機器類などを備え、搭乗する高官の仕事や息抜き用の区画もあるとされる。

タス通信は今年10月、イリューシン80型機の近代化が準備されているとも伝えていた。

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