ジョンソン英首相、クリスマスの制限強化を発表 ウイルス変異種を確認
ロンドン(CNN) ジョンソン英首相は19日に急きょ開いた記者会見で、クリスマスに緩和する予定だった新型ウイルス感染対策の行動制限を逆に強化すると発表した。同氏はまた、新たに確認された新型ウイルスの変異種は、伝染力が従来の7割も強い可能性があると指摘した。
英イングランドではクリスマスにかけて世帯間の交流制限が緩和される予定だった。しかしジョンソン氏は19日、ロンドンやイングランド南部、東部の一部について、20日以降の警戒レベルを従来の最高よりさらに深刻な「4」に設定。事実上のロックダウン(都市封鎖)を導入する方針を示した。
これらの地域ではクリスマスの世帯間交流が禁止される。イングランドのそのほかの地域やスコットランド、ウェールズではクリスマス当日に限って認められる。
ウェールズ自治政府のドレイクフォード首相も19日、警戒レベル4への引き上げを発表した。住民は外出を厳しく制限され、同居の家族以外との面会や店舗などの営業も禁止される。
スコットランド自治政府のスタージョン首相は19日、クリスマス期間中の域外との出入りを禁止すると発表。さらに26日から3週間、最も高い警戒レベルを導入する方針を示した。
ジョンソン氏は数日前まで、クリスマス前後の5日間は交流制限を緩和すると公言していた。野党からは方針転換が遅すぎたと批判する声も上がっている。
イングランドのウィッティー主任医務官(CMO)によると、新たな変異種はこの1週間でほぼ倍増したロンドンの新規感染者の約6割を占めている。同氏は「現時点で変異種の致死率が高いこと、ワクチンや治療薬の効果に影響することを示す証拠はないが、確認を急いでいる」と述べた。