EUがモデルナのワクチン承認、来週にも接種開始 流通面で課題も
(CNN) 欧州連合(EU)は6日、米バイオテック企業モデルナの新型コロナウイルスワクチン使用を承認した。米ファイザーと独ビオンテックのワクチンに続いて承認は2つ目。
これに先立ちEUの医薬品規制機関、欧州医薬品庁(EMA)は同日、条件付きでモデルナのワクチン承認を勧告していた。
EUはモデルナのワクチン1億6000万回分を確保している。これはEUの人口4億4800万人のうち、8000万人分に相当する。
欧州委員会によると、モデルナは今年9月までに全てを供給すると約束しており、同社はこの契約に基づき11日の週にも専用サプライチェーンを通じて第1陣のワクチン出荷を開始する見通しだと発表した。
フォンデアライエン欧州委員長は「さらに多くのワクチンを欧州人に提供する」と述べ、EUは20億回分の新型コロナワクチンを確保していると指摘、「全欧州人を守るために十分以上の安全で効果的なワクチンを確保する」と言い添えた。
EUはファイザーとビオンテックが開発したワクチンを3億回分確保している。同ワクチンは12月21日に承認され、数日後に接種が開始された。
ただ、同ワクチンは物流上の課題に直面している。フランスのカステックス首相は1月末までに100万人が接種を受けられるとの見通しを示していたが、今月1日までに接種を受けたのは516人のみだった。
ドイツでも十分な量のワクチンが確保できていないとして政府に対する批判が強まっている。これまでに接種を受けた人は5日の時点で31万6962人と、人口の0.4%にとどまる。
新型コロナワクチンは、英オックスフォード大学と製薬大手アストラゼネカが共同開発したワクチンも英国が承認済みで、続いてEUも承認する見通し。