反政権活動家アレクセイ・ナバリヌイ氏に実刑、全土で抗議デモ ロシア
モスクワ(CNN) ロシアの反政権活動家アレクセイ・ナバリヌイ氏が2日、モスクワの裁判所で禁錮2年8カ月の実刑を言い渡された。これに抗議するデモがロシア全土に広がり、人権監視団体「OVDインフォ」によると1000人以上が拘束された。
ナバリヌイ氏は毒殺未遂で搬送されたドイツから先月帰国し、直後に拘束された。2014年に詐欺罪で執行猶予付きの刑を言い渡されたが、ドイツ滞在中に出頭の条件を守らなかったとして、実刑への変更要請が出ていた。
裁判所は当局の要請を認め、3年半の刑期から自宅軟禁されていた期間を差し引いた実刑を言い渡した。
弁護士によると、ナバリヌイ氏は上訴する構え。
この決定を受けて、ブリンケン米国務長官はロシア当局に対し、同氏を「即時、無条件」で釈放するよう求めた。英国と独仏なども同様の声明を出した。
裁判所に到着したアレクセイ・ナバリヌイ氏の妻のユリア氏/NATALIA KOLESNIKOVA/AFP/Getty Images
ロシア国内では2日夜、ナバリヌイ氏の支持者らが抗議デモを展開。首都モスクワ中心部では、数百人規模の機動隊が裁判所周辺を巡回し、待機中のバスにデモ参加者らを押し込む姿がみられた。
ナバリヌイ氏のチームは通信アプリ「テレグラム」への投稿を通し、後日またデモを実施すると予告。支持者らに感謝したうえで帰宅を促した。
ナバリヌイ氏は法廷で、出頭できなかったのは自身がこん睡状態に陥り、その後も集中治療室に収容されたりリハビリを続けたりしていたためだと主張。当局には居場所を知らせていたなどと強調し、判事に制止される場面もあった。
同氏はまた、プーチン大統領を「地下壕(ごう)に隠れた手癖の悪い小男」と呼び、下着に毒を仕込んだ人物として歴史に名を残すだろうとやゆした。