内戦のシリアで燃料油が配給制に、スエズ運河座礁事故が波及
エジプト・カイロ(CNN) エジプトのスエズ運河での大型コンテナ船の座礁事故の影響で内戦が長年続くシリアの原油輸入に支障が生じ、国内で燃料油の配給制を迫られていることが4月1日までにわかった。
国営シリア・アラブ通信(SANA)が報じた。座礁事故で運河を通航予定だったタンカーが滞留していたためで、シリアの石油鉱物資源省は先月28日の時点で、原油や精製物を積んだタンカーのシリア入港が遅れていると報告していた。
この結果、確保しているディーゼル油やベンゼンなどの精製物の利用を出来る限り長くもたせるため配給制の実施を強いられたという。
SANAは同省の説明を引用し、日常生活の必需品の供給を途絶えさせないためパン屋、病院、給水所、通信センターや他の必要不可欠な施設に配給していると伝えた。
配給制はスエズ運河の通航が正常な状態になるまで続くとしたが、それまでどれほどの時間が必要なのかは不明とも報じた。
大型コンテナ船は先月29日に離礁が成功し、運河の通航が再開された。国際的な海上交易の要衝での座礁事故で多くの船舶が滞留を強いられ、世界の物流に大きな混乱が生じるとの懸念が出ていた。