中国製コロナワクチン、有効性「高くない」 保健当局トップが認める
民間企業シノバックが開発したワクチンは、ブラジルで行った臨床試験(治験)で有効率がわずか50.4%にとどまった。トルコで行った別の治験では83.5%の有効性だった。国営シノファームが開発した2つのワクチンの有効性は79.4%と72.5%。
一方、米ファイザー・独ビオンテック連合や米モデルナが開発したワクチンはそれぞれ、97%と94%に上る。
アラブ首長国連邦(UAE)は3月、シノファームのワクチンを2回接種した後も十分な抗体ができなかった住民に対し、3回目の接種を始めた。
中国製ワクチンの低い有効性に関する高氏の発言はよく知られた事実を述べただけだが、中国高官がそれを公に認めるのは初となる。
だが、高氏の発言がソーシャルメディアで話題になると、中国側はすぐにネット上の議論を検閲し、国営メディアは高氏のインタビュー記事を消した。
国営紙の環球時報は高氏に関する報道は「完全な誤解」であり、「世界でのワクチンの防御率は高かったり低かったりする。その有効性をどう改善するかは世界中の科学者が考える必要のある問題だ」と高氏が述べたと伝えた。
中国の衛生問題に詳しい専門家は、環球時報の報道は中国当局は公式見解に相違するものは許さないという姿勢を表すものとの見方を示している。