米軍、アフガンからの撤退開始 NATO同盟軍も
(CNN) アフガニスタン駐留米軍が正式に撤退を開始したことが分かった。ホワイトハウスや複数の国防当局者が明らかにした。
ホワイトハウスのジャンピエール副報道官は29日、大統領専用機内で記者団に「兵力削減が進行中だ」と説明。「これらの措置は最初は兵力増員につながるだろうが、我々は引き続き2021年9月11日までに全要員をアフガンから撤退させることに注力している」と述べた。
バイデン大統領は5月1日までに撤退を開始するよう命じており、複数の国防当局者によると、この命令を実行するため、既に100人未満の兵士や軍装備品が主に航空機によって移動した。
これに加え、請負業者や米政府の職員もアフガンから出国しているという。国防総省は撤退中の要員が反政府勢力タリバーンの攻撃を受ける事態を懸念しており、撤退プロセスの詳細を全ては明かさないとしている。
アフガニスタンには存在が公表されている米兵2500人に加え、数百人の特殊部隊員が駐留している。これらの要員は全員、バイデン氏の命令に基づきアフガンを離れる。
ミリー統合参謀本部議長はCNNに寄せた声明で、アフガン撤退の開始について「複雑な作戦であり、リスクがないわけではない」と説明。今後数週間にわたって作戦が展開する見通しだと明らかにした。
北大西洋条約機構(NATO)の当局者もCNNに対し、NATOの米同盟国が駐留軍の引き揚げを開始したと述べ、撤退を「数カ月以内に完了する」予定だと明かした。
バイデン氏は今月14日、米史上最長の戦争を終わらせる決定を発表。米国は「明確な目標をもって戦争に行き」、「そうした目標を達成した」としていた。バイデン氏が設定した撤退期限は絶対的なもので、現地情勢の悪化に基づき延長される可能性はない。