EU、域外からの観光客受け入れ再開を計画 ワクチン接種が条件
(CNN) 欧州連合(EU)は3日、新型コロナウイルス対策として1年前から実施してきた入域規制を緩和して、感染率が低い国からの観光客についてはワクチンの完全接種を条件として、6月をめどに受け入れを再開する計画を発表した。
不要不急の旅行者以外も受け入れる措置は、苦境にあえぐ観光業を復活させたい各国に歓迎される見通し。ただし、感染率が再び上昇した場合は「非常ブレーキ」をかけるとした。
当局者は6月末までに入域制限緩和を実行に移したい意向だが、加盟国の承認状況によっては前倒しで実施する可能性もある。
一部の加盟国は既に独自の制限緩和を打ち出している。ギリシャは先月、ワクチン接種を完了または新型コロナ検査を受けた海外からの観光客を5月半ばから受け入れると発表していた。
欧州委員会が発表した提案によると、旅行者は到着の14日前までに、EUが承認したビオンテック・ファイザー、オックスフォード大学・アストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などのワクチンを接種する必要がある。
EUの計画の中心は、ワクチン接種や免疫獲得を証明する「デジタルグリーン証明書」にある。これを提示すれば海外からの渡航やEU域内の往来を認める。
同証明書は、域外からの渡航者が最初に入国した国でワクチン接種の証拠を提示すれば発行される。
加盟国に対しては、渡航者が提示するワクチン接種証明が本物かどうか確認するための措置を講じるよう勧告している。
ただし、EU域外の国で懸念される変異ウイルスが検出されるなど状況が悪化した場合、そうした国からの旅行者の受け入れを一時的に中止する。
この計画については欧州各国大使の会合で5日に話し合う予定。