インドでコロナ患者にムーコル症急増、薬が不足 西部州で52人死亡

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「黒い真菌」は湿った表面に見つかるムコール菌によって引き起こされる/BSIP/Universal Images Group Editorial/Getty Images

「黒い真菌」は湿った表面に見つかるムコール菌によって引き起こされる/BSIP/Universal Images Group Editorial/Getty Images

(CNN) インド各地でまれな感染症のムーコル症が新型コロナウイルス感染者の間で増加し、治療薬が不足している。西部マハラシュトラ州では少なくとも52人が死亡し、保健当局は警戒感を強めている。

「黒い真菌」とも呼ばれるこの感染症は新型コロナの流行前からインドで発生していたが、最近では新型コロナの患者や回復したばかりの人の間で症例が急増している。

この病気はしめった環境で真菌により引き起こされ、特に免疫系が弱まっている人の気道を攻撃する。

当局者によると、新型コロナが猛威を振るうマハラシュトラ州では約2000人の感染が記録された。州の保健当局幹部は「1日平均100例はある」と述べ、抗真菌剤のアムホテリシンBが供給されつつあるものの、当初は不足に陥っていたと述べた。

同州は10万バイアルを発注。他にもウッタルプラデシュ州やマディヤプラデシュ州、デリー連邦直轄地などが薬の供給を求めている。

マハラシュトラ州の北にある西部グジャラート州では、高等裁判所が症例数の急増を警告する命令を出し、「投与の不足や治療費も州が真剣かつ早急に検討すべき課題だ」と指摘。同州も10万バイアルを発注した。

同国の化学肥料省は、国内で製造されているこの治療薬の需要が急増しており、必要な患者のもとに届くように全力を挙げていると述べた。

医療関係者は、免疫系が弱まっているか、糖尿病などの基礎疾患がある新型コロナ患者の一部がムーコル症に感染しているようだと語る。患者への酸素投与で使う加湿器との関係を指摘する声もある。

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