候補者の暗殺、昨年9月以降88人に メキシコ中間選挙
メキシコ市(CNN) メキシコで6月6日に行われる中間選挙を前に、各地で政治家や候補者の暗殺が相次いでいる。現地のコンサルティング会社によると、昨年9月以来、殺害された政治家や候補者は少なくとも88人に上る。
この88人を含めて数なくとも565人が、何らかの犯罪の標的にされてきた。
メキシコ政府によると、今回の中間選挙は史上最大の規模になる。投票が締め切られる6月6日までには、史上最悪の死者を出す可能性もある。
北部ソノラ州カへメの地方選に立候補していた元検察官のアベル・ムリエタ氏は2週間前の日中、人通りの多い通りで支持者と一緒にビラ配りをしていたところ、車に乗った男2人に銃撃されて死亡した。
ムリエタ氏は一貫して犯罪対策を筆頭の公約に掲げ、殺害される前日に収録された最後のキャンペーンCMでは「私たちの子どもを奪い、家族を崩壊させる麻薬はもうたくさんだ。私は法を制定する。私の手は震えていない。私は恐れない」と訴えていた。
当局は、何者かが故意に同氏を狙ったとみて捜査を続けているが、容疑者は特定できていない。
25日には別の候補者が選挙運動中に射殺された。アルマ・ロサ・バラーガン氏は、メキシコの中でも特に治安の悪いグアナフアト州モロレオンの市長選に立候補していた。死の直前にフェイスブックで中継したライブイベントでは、「一緒にやれば、もっとうまくできます」と明るい調子で有権者に呼びかけていた。
グアナフアト州司法長官は候補者の暗殺を非難、捜査は現在も進められている。
メキシコ全土でこれほど多くの候補者が殺害されている動機は不明だが、専門家は犯罪組織や勢力争いが絡む可能性を指摘する。