香港の天安門事件記念館が閉鎖、犠牲者追悼日の2日前に
香港では昨年6月に中国政府が施行した「香港国家安全維持法(国安法)」の下、香港の分離独立や政権転覆、テロ、外国勢力との共謀などが疑われる人物を権力機関が拘束できるようになった。
六四記念館を運営する李卓人氏は今年3月、CNNの取材で同館を案内した際に、国安法の影響で同館が永久に閉鎖されるかもしれないとの見方を示していた。
「(国安法は)常に刃物をのど元へ突き付けているようなものだ」「いつ首を切り落とされるか分かったものではない」(李氏)
李氏は今年の6月4日を獄中で迎えることになる。4月、2019年に無許可の反政府集会を開催、参加した罪に問われ、禁錮1年6カ月の判決を受けたからだ。ほかにも複数の行為で起訴されている。
六四記念館の展示物の多くは、天安門事件の犠牲者の親などが寄贈した遺品だ。そこには活動家がサインした北京大学のTシャツや労組関係者の脚から摘出した弾丸、現場にいた学生の持っていたカメラなどが含まれる。この学生は事件の様子を撮影中に射殺されたが、両親が死後にフィルムを現像。その写真も展示されている。