デルタ株ウイルスに新たな変異株、200人が感染
(CNN) 英イングランド公衆衛生庁などは27日までに、インドで初めて確認されより感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)の新たな変異株が見つかり、英国や米国、インドを含む計11カ国で症例が把握されていると発表した。
この新たな変異株は「デルタ・プラス(正式名B.1.617.2.1あるいはAY.1)」と呼ばれ、同公衆衛生庁が今月11日にその発生を初めて報告。ただ、英国で判明した最初の少数の症例の遺伝子配列は4月26日に解明されており、デルタ・プラスは今春までに出現し、拡散していた可能性がある。
11カ国で約200人が感染し、死者はこれまでインドでの1人となっている。
専門家らはデルタ・プラスがデルタ株あるいは英国で初めて発見されたアルファ株を含めた他のウイルス株と比べ、感染力がより強いのかどうかなどを調べている。現段階でその感染力を見極めるのは時期尚早としている。
この新たな変異株がワクチンの有効性にどのような影響力を及ぼすのか不明との指摘もある。
新型コロナウイルスの遺伝子配列の分析に当たるインド政府系の組織は、デルタ・プラスはいくつかの懸念すべき特性を有していると警戒。感染力の増大、肺細胞の受容体へのより強い接合や抗体反応を弱める可能性などに言及した。
11カ国での感染件数は各国別に遺伝子配列が解明された検体の数を反映しているだけで、実際の感染の広がり具合を突き止めるにはより多くのデータが必要な状況にもなっている。
イングランド公衆衛生庁によると、最多の感染規模は米国で今月16日時点で確認済みの83人で、インドの48人に英国の41人などと続く。