また新たな変異株、南アフリカの研究者が報告 世界8カ国で確認
(CNN) 新型コロナウイルスの変異株を調査している南アフリカの遺伝学研究チームが、アルファ、ベータ、ガンマといった懸念される変異株と多くの点で共通する新たな変異株を発見したと発表した。
研究報告によると、「C.1.2」と呼ばれる今回の変異株は、南アフリカ全土のほか、アフリカ、アジア、太平洋地域の7カ国で見つかっている。危険性が一層高まるかどうかは不明だが、感染力が強まったり免疫反応をかわす能力が強まったりした他の変異株のような変異がみられるという。
変異を繰り返すことで必ずしも危険性が高まるとは限らない。しかし南アフリカ国立感染症研究所の研究チームは、引き続きC.1.2を注視すると述べ、「現在は新型コロナウイルス感染後、あるいは新型コロナウイルスワクチン接種後の中和抗体に対する同変異株の影響を調査している」とした。
今回の変異株は、南アフリカで今年5月から第3波の感染が拡大する中で検出されたといい、「新型コロナウイルスの新たな変異株の特定は一般的に、新しい感染の波と関連付けられている」と研究チームは解説する。
世界保健機関(WHO)は今のところ、C.1.2を「懸念される変異株」には分類していない。
WHOの疫学者マリア・バンケルコフ氏によれば、新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、C.1.2変異株の感染が確認された人はごく少数にとどまる。「C.1.2は100前後の配列が世界で報告されている。最も早かったのは2021年5月の南アフリカからの報告だった」「現時点でC.1.2の感染が拡大している様子はない」と同氏はツイートし、これまでのところは依然としてデルタ株が主流になっていると言い添えた。