北朝鮮、兵器級ウラン生産が可能な施設を拡張 衛星画像で判明
ワシントン(CNN) 北朝鮮が北西部・寧辺で、兵器レベルのウラン濃縮が可能な施設を拡張していることが、CNNの入手した新たな衛星画像で明らかになった。衛星写真を分析した専門家によると、こうした改修は、一時稼働を停止していた同施設で北朝鮮が大幅増産を行う計画であることを示している可能性が高い。
写真は商業衛星画像を提供する米マクサーが今週撮影したもので、寧辺の核研究施設にあるウラン濃縮工場で建設作業が進む様子が写っている。米ミドルベリー国際問題研究所の専門家ジェフリー・ルイス氏によると、北朝鮮はこうした改修により、兵器級核物質の生産量を25%増やす可能性がある。
ルイス氏はまた、「寧辺での直近の拡張はおそらく、兵器生産に使う核燃料を増産する計画を示している」と説明。北朝鮮は以前にも、同施設の床面積を増やしてより多くの遠心分離機を収容できるようにし、年単位でのウラン濃縮量を引き上げる試みを行っていたと指摘した。
人工衛星が撮影した今年8月3日の写真/Maxar/Middlebury Institute of International Studies
9月1日の写真/Maxar/Middlebury Institute of International Studies
9月14日の写真/Maxar/Middlebury Institute of International Studies
ルイス氏によると、新たに拡張されたエリアは約1000平方メートルで、これは追加の遠心分離機1000台を収容できる面積となる。1000台の遠心分離機を追加すれば、同施設の高濃縮ウラン生産能力は25%向上するという。
事情に詳しい情報筋2人によると、米当局者は寧辺のウラン濃縮工場での最近の動きを把握しており、兵器級ウランの増産計画を示している可能性を認めている。
米国家安全保障会議、国防総省、国家情報長官室、中央情報局(CIA)はいずれもコメントを控えた。
北朝鮮は15日、朝鮮半島の東方沖に向け短距離弾道ミサイル2発を発射。また米当局者3人によると、初期分析では北朝鮮が先週末にもミサイルを発射していた可能性が示唆されている。北朝鮮はその前日、日本を攻撃可能な長距離巡航ミサイルの発射実験を実施したと発表していた。