北朝鮮、バイデン政権下で初の兵器実験を準備か 米当局が想定
ワシントン(CNN) 米国の情報当局が北朝鮮について、バイデン政権発足後初となる兵器実験の準備を進めている可能性があるとみていることが17日までに分かった。複数の米当局者が、匿名を条件にCNNに明らかにした。
これらの当局者が警戒を強める背景には、米韓両軍が行う合同軍事演習や、ブリンケン米国務長官とオースティン米国防長官による日韓への外遊などがある。
国防総省の報道官は、北朝鮮に関する声明の中で「諜報(ちょうほう)にまつわる事柄にはコメントしない」としつつ、「北朝鮮は弾道ミサイルと大量破壊兵器の開発を継続しており、米国の国益並びに同盟国の安全保障に対する脅威となっている」と述べた。
米シンクタンク、ヘリテージ財団の上級研究員を務めるブルース・クリングナー氏は「北朝鮮は従来、ある種の強力な挑発行為を米韓で新政権が発足した早い段階で実施してきた」と指摘。国力でまさる米韓2カ国から譲歩を引き出す狙いがあるとの見方を示したうえで、「歴史が示唆するところによれば、バイデン政権発足後の数カ月以内に何らかの行動を起こすだろう」「挑発行為に踏み切ったとしても、完全に想定内だ」と述べた。
また米当局の高官の1人は北朝鮮について、上記のブリンケン氏とオースティン氏によるアジア外遊の結果を検証したうえで兵器の実験を行うかどうかを判断するのではないかとの認識を示した。
当局者らは具体的な最新の情報は明らかにしなかったものの、起こりうるシナリオとして、北朝鮮によるミサイルまたはロケットのエンジン試験の可能性に言及した。同国が最後にこうした試験を実施したのは昨年の3月にさかのぼる。
この数日、米情報当局は平壌近郊の山陰洞にあるミサイル関連施設での車両の動きを注視している。