中国軍56機、台湾の防空識別圏に進入 最多を更新
台湾・台北(CNN) 台湾国防部(国防省)は4日、中国の軍用機56機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入したと明らかにした。台湾が昨年に中国軍機の進入状況を公表し始めて以降、最多の進入数となった。
当初の発表は52機だったが、夜間さらに4機の進入が報告された。これ以前の最多の進入数は2日の39機だった。
台湾国防部の声明によると、56機の内訳はJ16戦闘機38機、H6爆撃機12機、Su30戦闘機2機、Y8対潜戦機2機、KJ500早期警戒管制機2機。
国防部が公表した地図には、進入がADIZの南西端で起きたことが示されている。これに対し、国防部は無線による警告を発したほか、進入機の活動を監視する目的で対空ミサイルシステムを展開したという。
無線での警告は、台湾空軍がADIZに進入した中国軍機に対し「方向転換して直ちに離脱せよ」と命じる内容。52機はいずれも4日の日中に進入した。
今回の進入で台湾の沿岸から12カイリ(約22キロ)の海域上空が侵犯される場面はなかった。
国防部の統計によると、台湾は10月初め以降、中国軍機によるADIZ進入を145件報告している。
先週末に過去最多の進入数が報告された後、台湾空軍はフェイスブックに動画を発表し、台湾の空域を断固防衛する決意だと表明。「敵の侵攻と挑発に直面しても我々は決して妥協しない」「主権を守る決意に揺るぎはない」と述べた。
米国務省は4日、台湾付近での中国軍の活動に懸念を表明。一方、中国外務省は米国の「無責任な発言」を批判した。