中国軍機、2日連続で台湾の防空識別圏に進入 計77機
台北(CNN) 台湾国防部(国防省)は2日夜、中国が同日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に戦闘機や対潜哨戒機など39機を日中と夜間の2回にわたり進入させたと発表した。
中国軍機による2日連続のADIZへの入域で、1日には38機を同じく2度にわたり入り込ませていた。38機と2日の39機はいずれも1日の進入数では過去最多だった。これまでの最多は今年6月の28機だった。
国防部が2回出した声明によると、2日の日中には20機、同日夜には19機が進入。機種は殲16型戦闘機の26機、スホイ30型戦闘機10機、Y8型対潜哨戒機2機やKJ500型早期警戒管制機1機だった。
この事態を受け台湾空軍機が緊急発進し、無線で警告すると共に、地上などの対空ミサイル網を作動させたという。
国防部が示した地図では、中国軍機の入域はADIZの南西部の先端部で発生。台湾が実効支配するプラタス(東沙)島方面から飛来したことを示唆した。同島は南シナ海の北部海域に位置し、香港や台湾に近い。島には永住の住民はおらず、台湾軍の分遣隊が派遣され、滑走路も備えているという。
19 PLA aircraft (J-16*12, SU-30*6 and KJ-500 AEW&C) entered #Taiwan’s southwest ADIZ on the night of October 2, 2021. Please check our official website for more information: https://t.co/Vl6bWi8Cem pic.twitter.com/6IK77Bd3wY
— Ministry of National Defense, R.O.C. (@MoNDefense) October 2, 2021
2日連続の防空識別圏への相次ぐ進入は、中国が今月1日に迎えた72回目の国慶節(建国記念日)と時期が重なる。
中国軍機による台湾空域への接近あるいはADIZへの進入について専門家らは過去に、複数の動機があると指摘。国内向けの中国軍の力の誇示や、台湾との紛争が実際に起きた場合に中国軍が必要とするであろう諜報(ちょうほう)と軍事的な技量の確保などに言及していた。