ワクチン接種拒む決心表明、くじの例えも ブラジル大統領
サンパウロ(CNN) 南米ブラジルのボルソナーロ大統領は14日までに、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けないことを決めたと表明した。
地元ラジオ局との会見で述べた。大統領はこれまで、最後のブラジル国民が投与を受けた後、自らも接種に応じるとの考えを示していた。
ボルソナーロ氏は接種はもう受けないと決心したと説明。新たな研究結果を見ており、自身が保持する抗体の水準が非常に高いと主張。「ワクチンをなぜ打たなければならないのか?」とし、「2米ドル(約228円)の当選のため10ドルの宝くじを買うようなものだ。問題外だ」と続けた。
その上で、ブラジル国民は未接種の権利を有しているとも強調。「私にとってそれは全てを上回る自由だ」とし、「仮にある国民が打ちたくなかったらそれは彼の権利。それに尽きる」と説いた。
大統領は新型コロナや予防対策を軽視するなどして国内で強い批判を浴びてきた。米ニューヨークでの国連総会に出席した先月には、国連本部に入る外国代表団は事前の接種を義務づけるとの規定も無視。ブラジル代表団の多数がその後、陽性反応を示す結末ともなっていた。
米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、ブラジル国民の多数は接種に賛同しており、投与を完了した比率は総人口のうちの約47%。英オックスフォード大の研究者らによる「アワー・ワールド・イン・データ」のまとめによると、少なくとも1回の接種を受けた国民は72%となっている。
ブラジルの新型コロナ感染の規模は深刻で、犠牲者数は米国に次ぐ60万人超となっている。