新型コロナの死者増加、ワクチン未接種の高齢者に行動制限 ロシア
ロシアの疫病学者で世界保健機関(WHO)の顧問を務めた経験を持つワシリー・ウラソフ氏はCNNの取材に対し、「ロシアは今、大惨事に陥りつつあると思う」と述べた。新型コロナウイルスによる罹患(りかん)率や死亡率は依然として高い水準にあり、医療体制は逼迫していると指摘。年内にはさらに死者数が増える可能性があるとの見通しを示した。
政府当局者も危機的状況の深刻さについて公に語り始めた。ミシュスチン首相は19日、新型コロナウイルスの作業部会で、医療機関に対する負担が著しく増加していると述べた。
ロシアの新型コロナウイルス流行抑止に向けた取り組みはワクチン接種の停滞によって阻まれている。ロシアでは国内製のワクチンが4種類承認されているものの、ワクチン接種を完了した人の割合は全人口の約30%にとどまっている。
複数の調査によれば、ロシアではワクチンに対する懐疑的な見方が強い。9月に発表された独立系世論調査機関「レバダセンター」の調査によれば、52%がワクチン接種をする気がないと答えていた。