ブラジル大統領を大量殺人容疑で訴追勧告へ、議会コロナ調査委の報告書
(CNN) ブラジル議会の調査委員会が、新型コロナウイルス感染症の大流行におけるボルソナーロ大統領の対応をめぐり、同大統領を大量殺人の容疑で訴追するよう勧告する意向であることが分かった。流出した政府報告書をCNNが19日、確認した。
CNNブラジルは、同大統領の他、政府当局者が集団免疫の獲得を期待して、致死性のある新型コロナウイルスが国民の間で蔓延(まんえん)するのを放置したと非難する、議会の調査結果をまとめた草案の抜粋を入手。
ブラジルでは新型コロナウイルス感染症により60万人超が死亡。世界全体では米国に次いで2番目に多い死者数となっている。
抜粋では実質的に死者数の半数超がボルソナーロ政権の政策の責任によるものと非難し、殺人の容疑で同大統領を訴追するよう要求している。
また同大統領の息子3人や多数の現職、もしくは元職の政府高官ら69人に対しても刑事訴追を勧告。上院パンデミック調査委員会(CPI)はCNNに対し、1200ページ近い文書が20日に上院議会で議論される予定となっていると明かした。文書の草案の一部は正式発表に先立ち、変更もしくは更新される可能性もまだ残っている。
CNNは大統領府にコメントを求めたものの、今のところ反応は得られていない。だが同大統領は以前、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる自身の対応への調査は政治的な動機によるものと非難していた。
報告書は来週CPIで承認されればアラス検事総長に送付され、30日以内に対応が発表される。アラス氏はボルソナーロ氏の側近のため、大統領を殺人罪で訴追することはないとみられる。