妊娠９カ月の女性ジャーナリスト、自動車が爆発し死亡 イエメン

（ＣＮＮ） イエメンの沿岸都市アデンで９日、自動車が爆発し、妊娠中の同国人ジャーナリストが死亡した。サイード首相による発表を国営サバ通信が報じた。

事件が発生した際、ラシャ・アブドゥラー・アルハザリ記者は同じく記者として働く夫とともに乗車していた。報道によると、2人がアビヤン州の沿岸部付近を走行している間、爆発装置が自動車に取り付けられたという。

ジャーナリスト組織「イエメン・ジャーナリスト・シンジケート（ＹＪＳ）」によれば、夫は生き延びたものの重傷を負った。

ロイター通信が撮影した動画では、爆発後に道路脇に止められた焼け焦げた車両の残骸を調べる人々が捉えられている。

サウジアラビアの支援を受け、国際社会の承認を得る同国暫定政府の人権担当相はアルハザリ記者が妊娠９カ月だったと指摘。ＹＪＳは爆発について、「標的を定めた」攻撃だったとしているが、犯行声明はまだ出されていない。

内戦に見舞われているイエメンでは各地で、暫定政府と、イランの支援を受けるイスラム教シーア派武装組織「フーシ」との間で戦闘が続いており、アデンには暫定政府側の臨時首都が置かれている。数年間にわたる内戦では、多数の人々の命が失われ、同国を人道危機に陥らせている。

アデンはさらに、分離派組織「南部暫定評議会（ＳＴＣ）」の支配下に置かれており、サウジアラビアの首都リヤドで権力分担に関する協定に署名したにもかかわらず、同組織と暫定政府の間でたびたび衝突が発生している。