手術ミスで誤った脚を切断、医師に罰金35万円 オーストリア裁判所
(CNN) オーストリア北部リンツの裁判所は1日、手術ミスで男性患者の誤った脚を切断した外科医(43)に対し、罰金2700ユーロ(約35万円)の支払いを命じた。
このうち半額については支払いが猶予される。裁判所の幹部はCNNの取材に、罰金の理由について「重過失傷害を犯したため」と説明した。
手術ミスが発生したのは5月18日。フライシュタットの病院に勤務していた外科医はこの日、左太ももの手術を行う予定だったが、術前に医療記録や写真の確認が不十分で、右脚に手術部位のマークを付けた。
手術では何ら適応症がない右太ももが切断されたという。男性はその後、正しい方の脚も切断しなければならなかった。
裁判所は男性患者の妻への約60万円の損害賠償の支払いも命じた。男性は脚の切断とは無関係の理由で裁判日の前に死亡した。
被告と検察は12月6日正午までに上訴することが可能。上訴しない場合、7日に判決が確定する。
病院は5月、事案発生後に声明を出し、「人為ミスによって起きた悲惨な誤り」と説明。「あらゆる手を尽くして事案の解明を進め、院内の手順をすべて調査し、批判的に分析する。必要な対策があれば直ちに講じる」と述べていた。