反政府勢力が撤退、停戦の可能性も エチオピア
(CNN) エチオピアで北部のティグライ州を拠点とする反政府勢力「ティグライ人民解放戦線(TPLF)」は19日、隣接する地域から撤退すると明らかにした。エチオピアでは1年1カ月にわたって紛争が続いているが、今回の動きが停戦につながる可能性もある。
TPLFの指導者は、国連のグテーレス事務総長と国連安保理議長にあてた19日付の書簡で、ティグライ州の州境の外にいる部隊に対して即座に撤退するよう指示したと述べた。CNNはこの書簡を20日に確認した。
同指導者は国際社会やエチオピア連邦政府からの撤退を求める呼び掛けを聞いたとし、今回の撤退が和平への糸口となるだろうと信じていると述べ、停戦に続いて和平交渉が始まることを望むと言い添えた。
TPLFとエチオピア連邦政府は昨年11月から紛争状態にある。エチオピアのアビー首相は当時、ティグライ州での統治をめぐる長期間にわたる対立を受けて、同州への軍事行動を指示していた。
戦闘により数千人が死亡したほか、200万人以上が住むところを追われた。飢饉(ききん)が悪化し、残虐行為も増加した。
アビー首相は民間人の被害や隣国のエリトリアの兵士が戦闘に加わっていることを否定している。しかし、国際監視団や人権団体、CNNは複数の残虐行為があったことを明らかにしている。
TPLFの指導者は書簡の中で、国連に対し即時停戦への支持を要求。あらゆる敵対行為の停止や同地域からの外部兵力の完全撤退を保証するための仕組みを構築するよう呼び掛けた。
また、人道や民間目的以外の航空機を禁止する「飛行禁止区域」をティグライ州に設置するよう要請したほか、エチオピアとエリトリアに対する兵器禁輸も求めた。