金正恩総書記、年末の演説で「食料問題」に言及
(CNN) 北朝鮮の最高指導者、金正恩(キムジョンウン)総書記は、5日間にわたる朝鮮労働党の重要会議を締めくくる演説に臨み、同国に「食料問題」が存在することを改めて認めた。
昨年末に行われ、国営メディアの朝鮮中央通信(KCNA)が1日に要約して伝えた演説では、「緊急の感染症予防作業」について簡潔に触れられている。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の間を通じ、北朝鮮は海外との断絶をさらに強化。また国内での感染例を1件も認めていない。
ただ演説の大部分は北朝鮮における農業生産性を増強する必要性に焦点が当てられた。また権力を掌握してから10年の節目になされた軍事的な前進を称賛したものの、南北関係や国外情勢に関する政策の方向性に短く触れた以外は、韓国や米国について具体的な言及をすることはなかった。
一方で金総書記は、食料不足の程度について詳細は語らなかった。だが2021年に数十万トンのコメが不足するといった北朝鮮における深刻な欠乏について、国際機関が警鐘を鳴らしていた。
またこの問題では、北朝鮮におけるコメの一大生産地が大水害に見舞われたことで、事態がさらに悪化することになった。
金総書記が過去12カ月間で、食料をめぐる同国の現状を認めたのは今回が初めてではない。昨年6月には、20年の台風および洪水により北朝鮮が「食料をめぐって緊迫した状況」に直面していると認めていた。
KCNAはさらに、金総書記が先の演説で「好ましくない今年の状況」を認め、「農業生産を増加させ、国の食料問題を完全に解決」したいとの意向を表明したと報じている。