北朝鮮、極超音速ミサイル試射に成功と発表 国営メディア
韓国・ソウル(CNN) 北朝鮮国営メディアによると、北朝鮮は12日、極超音速ミサイルの試験発射に成功したと発表した。北朝鮮が極超音速ミサイルと称する兵器の実験を実施するのは金正恩(キムジョンウン)総書記の体制で3度目。発射には金総書記も立ち会ったという。
韓国軍合同参謀本部によれば、この前日、中国との国境に近い北朝鮮の慈江道から弾道ミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体が発射され、日本海に落下していた。飛行距離は700キロ以上、到達高度は60キロだった。
韓国と米国の情報機関が評価中だが、飛翔体のスピードは音速の10倍に達しており、初期分析では北朝鮮の5日の実験よりも高度な兵器だったことが示されているという。
5日の実験についても北朝鮮国営メディアは極超音速ミサイルだと主張しているが、専門家の間では懐疑的な見方が多い。
極超音速ミサイルという言葉は実際には、ロケットに搭載されるペイロード(搭載物)を指す。今回の場合、ペイロードは「極超音速滑空体(HGV)」である可能性がある。
専門家によるとHGVは理論上、音速の20倍の速度で飛行可能で、飛行中の機動性が非常に高いため、迎撃はほぼ不可能となる。
ただ、韓国政府は11日の声明で「軍は今回の飛翔体を探知・迎撃する能力を有しており、対応システムを継続的に強化している」と述べている。