残る食料はあと3~4日分、人道支援態勢は「完全崩壊」 ウクライナ支援団体が危機感
(CNN) ウクライナで支援活動を行っている国際NPOのマーシー・コープスは22日、激しい戦闘が起きている地域ではあと3~4日分の食料しか残っていない街もあり、同国の人道支援態勢は「完全に崩壊している」として強い危機感を示した。
「現時点で最大の懸念は供給網の脆弱(ぜいじゃく)性だ。最も激しい戦闘が起きている地域の市町村のほとんどは、食料などの必需品があと3~4日分ほどしか残っていない」。激しい戦闘が続く北部ハリコフにいるマーシー・コープスのスティーブ・ゴードン氏はそう伝えた。
ハリコフとスムイは人口の少なくとも70%が援助だけを頼りにしているとゴードン氏は推測する。
「80万人がほぼ完全に、1日ごとに届く援助に頼っているスムイのような地域がある。各都市が少なくとも1カ月分の食料を必要としており、砲撃された場合に備えて別々の倉庫に保管しておく必要がある」
ゴードン氏はそう語り、「現実には人道支援体制が完全に崩壊している」と指摘。他の紛争地でみられるような、国際支援団体が連携してウクライナ全土をカバーする態勢が整っていないとの見方を示した。
「国連は一部地域に支援を届けているが、人道回廊の失敗により、多くの人たちが、教会などウクライナの小さな市民団体の支援を頼りに生き延びている」とゴードン氏は述べ、そうした団体が連携して食料や医薬品などの必需品を配っているとした上で、「そうした素晴らしいボランティアのネットワークはできる限りの努力をしているが、限界に達している」と伝えた。