ロシア軍、チェルノブイリ原発から撤退 ウクライナ原子力企業が発表
ウクライナ・リビウ(CNN) ウクライナの原子力発電所を監督する国営企業、エネルゴアトムは31日、ロシア軍がチェルノブイリ原発と周辺施設から撤退したと明らかにした。
エネルゴアトムはテレグラムで発表した声明で、「チェルノブイリ原発と立ち入り禁止区域内の他の施設を奪取した占領者」が2列の隊列でウクライナとベラルーシの国境に向かったことが確認されたと述べた。
チェルノブイリ原発では1986年4月26日に原子炉4号機で爆発が発生し、直後に30人が死亡。その後、大勢の人が放射線症状のため亡くなった。
同原発と周辺地域は今年2月下旬、ウクライナでの戦争の最初の週にロシア軍の手に落ちていた。
エネルゴアトムによると、ロシア軍は3月31日、同原発から撤退してウクライナ側の人員に管理を委ねる意向を明らかにした。
エネルゴアトムはまた、ロシア国家親衛隊とロシア国営原子力企業ロスアトムの代理人、およびチェルノブイリ原発のシフト管理者が署名したとされる正式書簡の写しも投稿した。
テレグラムに投稿されたエネルゴアトムの声明によると、同原発にはまだ少数のロシア人が残っている。
エネルゴアトムはさらに、「ロシア人が立ち入り区域内で最も汚染された『赤い森』に要塞(ようさい)や塹壕(ざんごう)を築いていたとの情報も確認された」「従って、占領者が大量の放射線を浴び、病気の最初の兆候にパニックになったのは驚きではない。それは非常にすぐ表れた。その結果、軍内部で暴動のようなものが発生した」などとしている。
CNNは現時点でこれらの主張を検証できていない。
米国防総省高官は31日、記者団に対し、米国もロシア軍がチェルノブイリやキエフ北郊と北西郊から撤退するのを目撃していると明らかにした。