イエメン大統領、評議会へ権限移譲 内戦終結への期待高まる
(CNN) イエメンのハディ大統領は、7年に及ぶ内戦を終わらせる国連の取り組みを支援するため、新たに設置された大統領指導評議会に権限を移譲した。
アナリストはこの発表を、世界最悪の人道危機とされてきた厳しい紛争における「大きな出来事」と評している。
2012年にサレハ前大統領を追放して以来10年間大統領を務めてきたハディ氏とアフマル副大統領に代わり、8人のメンバーで構成される評議会が発足した。
サウジアラビアの首都リヤドにいるハディ大統領はテレビ演説で「全権を大統領指導評議会に委ねる」と述べた。
サウジアラビアとイランの代理戦争とされる紛争は、サウジ主導の軍事連合とイランに支援されている反政府武装勢力フーシ派との間で繰り広げられてきた。紛争が始まって以来、数万人が死亡し、数百万人が飢餓の淵に立たされている。
サウジアラビアの国営通信SPAは、大統領指導評議会の発足を受け、サウジアラビアとアラブ首長国連邦がイエメン中央銀行に30億ドル(約3700億円)拠出することを約束したと報じた。
SPAによると、サウジアラビアは評議会に対し、フーシ派と「包括的な政治解決」に向けた交渉を開始するよう要請したという。フーシ派は大統領評議会についてまだコメントを出していない。
サウジアラビアはまた、イエメンへの国連の人道支援基金に3億ドル拠出すると発表し、イエメン支援のための援助供与会議の開催を呼び掛けた。
ベテラン政治家でハディ氏の元顧問のラシャド・アル・アリミ少将が評議会の議長を務める。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は発表後、アル・アリミ氏と会談したとサウジアラビア国営テレビが伝えた。