イスラエル軍、パレスチナ人女性2人を射殺 緊張高まるヨルダン川西岸
エルサレム(CNN) イスラエルとの緊張が高まっているパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で10日、パレスチナ人女性がイスラエル軍に射殺される事件が相次いだ。
これとは別にイスラエルでは、兵士から銃を盗もうとしたとされるユダヤ人男性が射殺された。
ヨルダン川西岸の町フーサン付近では、検問所に近づいた47歳の女性が射殺された。
イスラエル軍はこの女性について、兵士が止まるよう指示したが従わなかったため、宙に向けて警告射撃を行ったと説明。現場をとらえた映像には、女性が走り出したように見える姿が映っていた。この時点で兵士が女性の下半身に向けて発砲したという。
パレスチナ保健省によると、女性は病院に運ばれたが出血多量で死亡した、イスラエル軍によると、女性から武器は見つからなかった。
パレスチナ自治区のムハンマド・シュタイエ首相はこの事件を「凶悪犯罪」と呼び、全ての責任はイスラエル政府にあると非難した。
一方、イスラエル国境警察は同日、ヨルダン川西岸のヘブロンで警察官を刺した女性が射殺されたと発表した。
この事件はユダヤ教で「マクペラ洞窟」、イスラム教で「イブラヒム・モスク」と呼ばれる聖地の近くで発生した。警察によると。襲われた警官は軽傷を負った。
イスラエルとヨルダン川西岸では、イスラエルの民間人がパレスチナ人に連続して銃撃され、14人が死亡する事件が発生。これを受けてここ数週間の間に緊張が高まり、イスラエル軍が西岸で集中的な摘発作戦を行っていた。
9日夜には、イスラエルの治安部隊がヨルダン川西岸の村を急襲した。治安部隊は、イスラエル中部ブネイブラクで先月銃を乱射して5人を殺害した男がこの村に住んでいたとしている。