パキスタン首相の後任にシャリフ氏 元首相の弟
パキスタン・イスラマバード(CNN) パキスタン議会の不信任決議で失職したカーン前首相の後任に、野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML―N)のシャバズ・シャリフ党首が選出された。
シャリフ氏は11日、議会下院(定数342)での選出投票で174票を獲得した。来年予定される次回の総選挙まで首相を務める。
カーン氏が率いる政党、パキスタン正義運動(PTI)の議員らはこの日の投票に先立ち、一斉に辞職した。
カーン氏は投票終了後、支持者らに抗議デモへの参加を求めた。次回の集会は最大都市カラチで16日に予定されている。
シャリフ氏は過去にパキスタン首相を3度務めたナワズ・シャリフ氏の弟。議会での就任宣誓を前に、新たな連立政権を含む国家全体の団結を呼び掛けた。年金を10%増額し、最低賃金を月額2万5000パキスタン・ルピー(約1万7000円)に引き上げると表明した。
インドのモディ首相はツイッターを通し、シャリフ氏に祝福の言葉を贈った。
カーン氏が10日に失職したことを受けて、同日夜には東部ラホール、北部ペシャワルなどの主要都市では同氏を支持するデモがあり、数万人が反米、反軍のスローガンを掲げて参加した。
軍の後ろ盾を失っていたとみられるカーン氏と違い、シャリフ氏は軍と良好な関係を維持している。同国の中核で人口が最も多い中部パンジャブ州の首相として教育、産業界の発展を主導し、広く支持を集めた実績を持つ。
また中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の一端を担う経済回廊の開設を推進するなど、中国政府とも友好関係にある。
同氏は数カ月前から、カーン氏の失政を理由に退陣を求める動きを主導していた。