旗艦「モスクワ」沈没で1人死亡、27人行方不明 ロシア国営メディア
(CNN) ロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」が今月沈没した件で、ロシア国営タス通信によると、少なくとも1人が死亡、27人が行方不明になっている。
他の乗組員396人は近くの船に退避し、クリミア半島セバストポリに移送されたという。ロシア政府は19日の時点で死傷者の存在を認めていなかった。
誘導ミサイル巡洋艦のモスクワが沈没したのは今月14日だが、原因については依然として争いがある。
ウクライナ側は対艦巡航ミサイルがモスクワに命中したことで火災が発生し、艦内の弾薬が爆発したと指摘する。モスクワは対艦ミサイルや対空ミサイル、魚雷、艦載砲、ミサイル防衛システムを搭載していたため、艦内に大量の爆発物を積んでいた可能性がある。
一方、ロシア国防省は出所不明の火災で弾薬が爆発した結果、艦体が構造的な損傷を負ったと主張。その後、付近の港湾にえい航される途中、荒波の中で沈没したとしている。
SNS上で18日に公開された写真や短い動画には、激しく損傷した状態で炎上する沈没前のモスクワが捉えられていた。
原因が何であれ、モスクワの沈没は過去40年で最大規模の軍艦喪失であり、ロシアにとって軍事的な面目の失墜を意味する。モスクワは今回のウクライナ戦争でロシア海軍有数の存在感を発揮していた兵器で、その喪失はロシア兵の士気に影響を与える可能性がある。