抗戦続くマリウポリの製鉄所、内部は「大惨事」状態か 運営企業

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煙を噴き上げる要衝マリウポリの製鉄所「アゾフスターリ」/Alexander Ermochenko/Reuters

煙を噴き上げる要衝マリウポリの製鉄所「アゾフスターリ」/Alexander Ermochenko/Reuters

(CNN) ロシア軍による完全占領への懸念が強まるウクライナ南東部の要衝マリウポリ市にあり、ウクライナ軍兵士や退避の市民らが立てこもって抵抗が続く製鉄所「アゾフスターリ」内が食料不足などに見舞われる「破滅的な結末」の状態を呈していることが23日までにわかった。

同製鉄所を保有する企業「メトインベスト・ホールディング」の最高経営責任者(CEO)がCNNの取材に明かした。所内の地下などに踏みとどまっている兵士や市民の正確な人数は伝えられていない。

CEOは「戦争が始まった際、爆撃対策のシェルターやほかの施設にはかなり十分な食料や飲料水の蓄えがあった」と指摘。このため、逃げ込んできた市民らは一定の期間、この食料などに頼って生きながらえることが出来たとした。

ただ、現実的に食料や日常生活に必要な物資は不幸にも尽きると説明。「現在は大惨事の状態に近いと判断している」とした。当初の2~3週間は十分な供給が出来たとしながらも、製鉄所での抗戦が約8週目に入った事実に注意を向けた。その上で製鉄所内にこもっている市民らは「降参はしていない」とも述べた。

同社は緊急連絡用の電話回線を設け、製鉄所の社員ら全員の安否の確認を図った。これまで約4500人とは接触出来たが、約6000人の行方がいまだ不明とした。同CEOは「所在が判明しない社員ら全員が存命し、元気であること」を願うとし、無事がわかったのなら同社は必要な全ての処置を提供するとも強調した。

ロシア軍が製鉄所を占領したとしても業務再開には踏み切らないとも主張。「制圧下では働かないし、運営に必要な作業も提供しない」と言い切った。ロシア側は当然、操業再開を試みるだろうとしながらも、「出来るかどうかを見るだけだが、動かせるとはとても思えない」とも突き放した。

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