観光客のドローン、歴史的建造物に墜落 イタリアでトラブル頻発
(CNN) イタリアの首都ローマでこのほど、観光客の操縦するドローンが制御不能になって歴史的建造物のベネチア宮殿の屋根に墜落した。イタリアでドローンが絡む事故は今月に入って3件目だった。
地元警察によると、23日午後7時ごろ、アルゼンチン国籍の男性(39)が飛ばしていたドローンが制御できなくなった。男性がいたローマ市中心部のベネチア広場の近くには、観光名所のカンピドーリオ広場やフォロ・ロマーノ遺跡もある。
15世紀に建造されたベネチア宮殿は、独裁者ベニート・ムッソリーニが有名な演説を行った場所として知られる。
警察によると、ローマとバチカンではドローンの飛行が禁止されているが、男性はそのことを知らなかったとみられる。
「幸いなことにけが人はなく、ベネチア宮殿の屋根も損傷しなかった」と警察は話している。ドローンは没収され、観光客の男性は刑事訴追される可能性がある。
イタリアでは、歴史的建造物や広場の上空をドローンが飛行するトラブルが増えている。
警察によると、ピサでは25日午後、有名なピサの斜塔に近いミラコリ広場でドローンを飛ばしていたルーマニア国籍の観光客(32)が制止された。
イタリアの都市部や人の多い場所でドローンを飛ばすためには、民間航空当局が交付する特別な免許に加えて、自治体や警察の許可を必要とする。
ピサでは18日にも、18歳と26歳のメキシコ人がドローンを中世の塔に衝突させていた。警察によると、塔に大きな損傷はなかった。