上海に続き北京も一部ロックダウン、中国全土で1億6500万人に影響
(CNN) 中国経済を支える2大都市、北京と上海が新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)に入っている。上海の住民は疲弊し、北京では封鎖拡大への恐怖に火がついている。
上海では1日あたり1万人を超す新規の症例が報告される日が続く。全市的なロックダウンは数週間に及び、人口2500万人のほぼ全員が、自宅や居住地区から出られない状況にある。
一方、北京は集団検査を開始して、学校を閉鎖し、感染の拡大を抑えるために一部の集合住宅を対象とするロックダウンを開始した。
ロックダウン対象となった北京の住民がコロナ検査のため雨の中並ぶ=27日/Andy Wong/AP
中国は厳格なゼロコロナ戦略に固執し続けているが、感染力の高いオミクロン変異株が猛威を振るう中、その戦略を維持することへの疑問が突き付けられている。
中国全土では少なくとも27都市で部分的なロックダウンや全市的なロックダウンが実施され、CNNの計算によれば、最大で1億6500万人が影響を受けている。
北京の朝陽区を対象とするロックダウンでは、集合住宅13棟の住人が自宅から出られなくなり、別の33棟の住人は居住区からの外出を禁止された。
28日には北京市内の人口密集地の多くで学校が閉鎖され、大手病院が相次ぎ閉鎖を発表。映画館など娯楽施設に対する閉鎖命令も増えている。
中国国内では杭州(人口1220万人)、蘇州(同1270万人)、ハルビン(同950万人)など20都市以上で部分的なロックダウンや全市的なロックダウンが実施されている。対象は北東部の黒竜江省から南部の広西スワン族自治区、西部の青海省まで14省区に及ぶ。
上海はロックダウンの影響で機能不全状態に陥り、混乱が拡大。住民は食料が足りないと訴え、医療機関も受診しにくくなり、その場しのぎの隔離施設は劣悪な環境にある。当局は感染した子どもを親から引き離すなどの強硬な対策を講じている。