持参金めぐり妻を自殺に追い込んだ罪、夫に禁錮10年 インド
(CNN) インド南部ケララ州の裁判所で24日、ダウリー(結婚持参金)をめぐって妻を虐待し、自殺に追い込んだとして、夫に禁錮10年の刑が言い渡された。
インドのダウリーは結婚の際、女性側から男性側に贈られる金銭や家財道具。法律上は禁じられているが、慣習として広く受け継がれてきた。
法廷文書によると、被告は妻の家族からソブリン金貨100枚、土地1エーカー(約0.4ヘクタール)と車1台を受け取ったが、車の種類に不満を示し、追加の支払いを要求。妻に対して暴言と暴力を繰り返した。
妻は結婚後1年あまりの昨年6月、夫側の家のバスルームで死んでいるのが見つかった。この直前にも、ダウリーの問題で激しくなじられていたという。
妻の兄弟が昨年、CNNに語ったところによると、被告は妻がSNSを使ったり、両親に電話をかけたりすることを禁止し、より大きく高価な車を要求していた。
インドではダウリーが1961年に禁止されてからも、この問題で女性が暴力を受ける事件は後を絶たず、80年代の法改正ではダウリーをめぐって結婚7年目までに女性が死亡した場合、男性側の刑事責任を問うことが可能になった。有罪となった男性は禁錮7年から終身刑を言い渡される。
政府の統計によると、2020年にはダウリーをめぐって7000人近い死者が報告された。世界銀行によれば、ケララ州は識字率が高く進歩的な土地として知られる一方、ダウリーの相場は国内トップレベルに達している。