ウクライナ人数十万人、ロシア僻地に強制移住 樺太に移送も
ワシントン(CNN) ウクライナでロシア軍に拘束されたウクライナ人数十万人が、同国東部の「選別キャンプ」を経由してロシアの僻地(へきち)に連行されていると、西側の情報機関の関係者4人が伝えた。この人数は、米政府が発表していた推計を大幅に上回り、ロシアが大量のウクライナ人を強制移住させている実態が浮き彫りになった。
関係者によると、ウクライナ人の多くはロシア情報機関が運営するキャンプに収容された後、ロシアの経済困窮地域に強制連行されている。中には自宅から何千キロも離れた地域に連行され、帰国する手段がない状況に置かれた人たちもいるという。
ロシアに入国することで戦闘から逃れようと自主的に選別キャンプに入ったウクライナ人もいるものの、多くは意思に反して検問所や防空壕(ごう)から連行されている。目撃者や関係者によると、平均して3週間前後、選別キャンプで過ごす間は非人道的な状況で拘束され、尋問や拷問を受けることもある。一部はその後、国境を越えてロシアに移送される。
ドネツクからの避難者が集まるキャンプ地=2月19日、ロシア・ロストフ州の国境検問所/AP
ウクライナ人の多くはロシアのロストフなどにある検問所を経て、ロシア各地の僻地に送られているという。場合によってはウクライナとの国境から1万6000キロ以上離れた極東のサハリン島(樺太)に送られることもある。運が良ければ住宅地の住宅のほか、ロシア語のSIMカードや少額の現金をロシアから提供されることもあると、関係者はCNNに語った。
一方で、自活することを前提として何も与えられないまま置き去りにされる人や、ウクライナとの国境に近いロシア国内の選別キャンプに足止めされたまま出られない人もいるという。